IgA腎症が疑われたきっかけ。腎生検を決断するまで

ここでは、私がIgA腎症を疑われるまでの経過を、これまでの記録をもとに振り返ります。

15年前、最初の「尿潜血」

15年ほど前、健康診断で「尿潜血」が出たことがありました。

当時は「血尿」という言葉に少し驚いたものの、近くの腎臓内科を受診。詳しく検査をしてもらい、24時間蓄尿も行いました。

そのときは特に問題はないと言われ、その後は大きな症状もなく過ごしていました。

2025年12月、突然の「赤黒い尿」

それから長い間、特に気になることもなく過ごしていました。

ところが、2025年12月28日。

疲れがたまっていて、喉の痛みと微熱もあり、「風邪かな」と思っていたときのことでした。

トイレに行くと、尿の色がいつもと明らかに違う。

赤というより、赤黒いような色でした。

「血尿って、こんな色になるんだ……」

それまで血尿を実際に見たことがなかった私は、かなり驚きました。

まずは、「膀胱炎」と言われた

血尿に驚き、2日後に近くの内科を受診しました。

尿検査をしてもらい、「膀胱炎」と診断されました。

このときの尿検査では、尿潜血3+、尿蛋白+でした。

血尿が出ていることに加えて、風邪のような症状もあったので、そのときは「膀胱炎なのかな」と思いました。

薬を処方してもらい、そのときはひとまず様子を見ることに。

ところが、その後も同じようなことが起こることになります。

2026年4月、また「血尿」が出た

そして、2026年4月。

また、12月のときと似たような症状が出ました。

疲れを感じたり、喉の症状があったりして、また尿の色が赤黒くなりました。

「また血尿……?」

さすがに少し気になりましたが、このときも近くの内科を受診。

尿検査では、尿潜血3+、尿蛋白3+という結果でした。

それでも、この時点ではまだ「腎臓の病気かもしれない」とは思っていませんでした。

その後、症状はいったん落ち着きました。

2026年6月、今度は「腎臓内科」へ

そして、2026年6月。

また、同じような赤黒い血尿が出ました。

12月、4月と繰り返していたこともあり、さすがに「これは何かおかしいのかもしれない」と思うようになりました。

今まで受診していた近くの内科ではなく、今回は腎臓を専門に診てもらえる「腎臓内科」を受診することにしました。

このときの尿検査では、
尿潜血3+、尿蛋白2+。

尿の色も赤く、検査では血尿だけでなく、尿蛋白も確認されました。

「腎臓に炎症があるかもしれない」

診察では、これまでの血尿の経過について話しました。

15年ほど前にも尿潜血を指摘され、詳しい検査を受けたこと。
2025年12月と2026年4月にも、同じような血尿があったこと。
そして今回、また血尿が出たこと。

腎臓のエコー検査を受けることになり、腎臓に腫瘍などがないかを確認しました。

この時点では、まだ「IgA腎症」という病名を聞いていたわけではありません。

ただ、先生からは「腎臓に炎症がある可能性もある」と説明されました。

そして、さらに詳しく調べるため、医療センターを紹介してもらうことになりました。

医療センターで、初めて「IgA腎症かもしれない」と言われた

紹介状を持って、医療センターを受診しました。

これまでの血尿の経過や、15年ほど前にも尿潜血を指摘されていたこと、2025年12月と2026年4月にも同じような血尿があったことを先生に伝えました。

尿検査や血液検査を受け、これまでの経過について詳しく確認してもらいました。

そして、ここで初めて、

病気のことを考える時間ももちろんありましたが、楽しみにしていた予定があったことで、腎生検の日までの時間を少し前向きな気持ちで過ごせたように思います。

「IgA腎症の可能性が高い」

と言われました。

「IgA腎症……?」

病名自体は、製薬会社のMRとして働いていた頃に知っていました。

でも、まさか自分がその病気の可能性を指摘されるとは思っていませんでした。

さらに先生から、

「よく妊娠・出産を乗り越えられましたね」

と言われました。

その言葉が、とても心に残りました。

私は、妊娠・出産に至るまで、決して平坦な道のりではありませんでした。

「もしかして、これまでのことも何か関係があったのかな……」

と、いろいろなことを考えてしまいました。

※妊娠・出産とIgA腎症との関係については、私自身では判断できません。ここでは、先生の言葉を聞いた当時の私が「もしかして関係があるのかな」と考えたことを、そのまま記録しています。

そして先生から、
確定診断のためには「腎生検」が必要になると説明されました。

今振り返ると、そんなふうに感じています。

腎生検はその医療センターでは実施していなかったため、
受けるかどうかも含めて、大学病院で詳しく診てもらうことになりました。

また、血圧管理の大切さについても説明を受けました。

それ以来、毎朝・毎晩の1日2回、血圧を測定し、血圧手帳に記録するようになりました。

私の場合、血圧は平均すると100/70mmHg前後で、先生からも「血圧は問題ない」と言っていただきました。

この記録については、大学病院にも引き継がれています。

「IgA腎症」を調べて、どんどん不安になった

先生から病名を聞いてから、家に帰ってすぐに検索しました。

検索してみると、「IgA腎症」という病気について、いろいろな情報が出てきました。

私は製薬会社で働いていたこともあり、病名自体は知っていました。
でも、「自分がその病気かもしれない」と思いながら調べるのは、これまでとはまったく違いました。

「指定難病」という言葉も目に入り、
「え、これってそんな病気なの?」
と、急に不安になりました。

さらに調べていくうちに、腎機能が悪化すると透析が必要になることがある、という情報も目にしました。

「私も将来、透析になるの?」
「食事もいろいろ制限されるのかな」
「これからどうなってしまうんだろう……」

そんなことばかり考えてしまいました。

そして何より、まだ小さい娘のことを考えました。

「この先、ちゃんと元気で一緒に過ごせるのかな」

病気について知りたくて検索しているはずなのに、調べれば調べるほど怖くなっていきました。

大学病院へ。腎生検を受けるか考えることに

紹介状を持って、大学病院を受診することになりました。

医療センターでは、IgA腎症の可能性が高いこと、そして確定診断のためには腎生検が必要になることを説明されました。

ただ、腎生検にはリスクもあります。

そのため、「すぐに受ける」と決めたわけではありませんでした。

大学病院では改めて詳しく話を聞き、自分自身で受けるかどうかを考えることになりました。

大学病院での初回受診では、尿検査や血液検査を受けました。

診察までかなり時間がかかり、病院に着いてから帰るまで3〜4時間ほど。

そして先生から、検査結果や血尿の経過について説明を受けました。

先生からは、今の腎臓の炎症について、

「暴れてる状態」

という言葉で説明されました。

その言葉を聞いたとき、

「そんなに炎症が強いんだ……」

と、改めて怖くなりました。

私の場合は腎生検を受けて、腎臓の中で何が起きているのかを詳しく調べることを勧められました。

もちろん、腎生検にはリスクがあります。

血流の多い臓器である腎臓に針を刺して組織を採取するため、出血などの合併症が起こる可能性があります。

そして私にとっては、治療のためではなく「検査」の段階で、約5日間入院することになるということも、大きな懸念でした。

まだ小さい娘がいる私にとって、5日間家を離れることは、決して小さなことではありません。

だからこそ、すぐに決めるのではなく、先生の話を聞きながら、自分の中でもう一度考えてみることにしました。

次の受診。腎エコーで腎生検ができるか確認

大学病院での初回受診のあと、次の受診では腎エコー(超音波検査)を受けました。

この日は主治医の診察はなく、腎生検を実施できる状態かどうかを確認するための検査でした。

腎臓の形や大きさなどを確認し、腎臓が萎縮していないかなど、腎生検を行える状態かどうかをチェックするとのことでした。

検査自体は30分ほど。

そして、その次の受診で、改めて尿検査や血液検査を受けることになりました。

次の受診。検査結果は少し改善していた

その後、再び大学病院を受診しました。

この日の診察では、尿検査や血液検査を受けました。

前回の検査と比べると、尿蛋白や変形赤血球など、いくつかの数値に変化がありました。

先生からも、「炎症は少し落ち着いてきている」という説明がありました。

私自身も検査結果を見ながら、
「尿蛋白や変形赤血球は少し良くなっているのかな」
と思う一方で、ここ最近は以前よりも疲れやすくなっていることを感じていました。

先生からは、腎生検をすぐに受けず、もう少し様子を見るという選択肢もあると説明されました。

ここで私は、もう一度考えました。

「今、少し落ち着いてきているなら、腎生検を受けなくてもいいのかな」

それとも、

「今のうちに、腎臓の中で何が起きているのか、きちんと調べておきたい」

どちらの気持ちを大切にするべきなのか、悩みました。

悩みましたが、最終的には、「腎臓の中で何が起きているのか知りたい」という気持ちが強くなり、腎生検を受けることに決めました。

このとき、先生から特に説明を受けた項目を、初回と次回の検査結果で並べてみます。

(初回 → 次回の検査結果の順に記載)

・クレアチニン:0.73 → 0.77 mg/dL

・eGFR:75.7 → 71.2

・尿蛋白(g/gCr):0.5 → 0.2

・尿蛋白(定性):2+ → +

・尿潜血:3+ → 3+

・変形赤血球:3+ → 2+

※この数値は私自身の検査結果です。検査値の基準範囲や意味は、年齢・体調・検査方法などによって異なる場合があります。この記事では私の経験を記録しているもので、検査結果から病状を自己判断することはおすすめしていません。気になる数値や分からないことがあれば、主治医などの医療従事者にご相談ください。

この日の診察では、腎臓を保護する目的で、ARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬)のロサルタンK錠25mgを、1日1回服用することになりました。

「腎臓を守るためのお薬です」と説明を受けました。

なお、血圧については、医療センターで勧められて以降毎日測定していた記録も大学病院に伝えており、平均100/70mmHg前後で、血圧の値には問題ないと言われています。

腎生検を受けることに決めました。入院に向けて準備開始

腎生検を受けることを決めたあと、入院に向けて、検査の流れや注意点などを改めて確認しました。

また、入院中に必要なものや、避けたほうがよいことについては、看護師さんや薬剤師さんからも詳しく教えてもらいました。

こうして、腎生検の日程が決まり(この診察日から約10日後)、入院に向けて少しずつ準備を始めることになりました。

腎生検までの10日間。楽しみな予定もありました。

検査のことを考えると、やっぱり不安はありました。

でも、入院までずっと不安な気持ちで過ごすのもつらい。

そこで私は、腎生検までの10日間を少しでも前向きな気持ちで過ごせるように、楽しみな予定をいくつか作りました。

家族で山梨へ行って、富士山を見たり温泉に入ったり。

そして、銀座でちょっといいお寿司を食べたり。とても気分転換になりました。

「腎生検が終わったら、しばらくは無理をしない生活になるんだな」と思うと、入院前にできること、楽しめることを大切にしたいという気持ちがありました。

不安なことばかり考えてしまうときこそ、楽しみにしていることがあるって大事なんだな。

入院に向けて、少しずつ準備

腎生検の日が近づくにつれて、入院に向けた準備も少しずつ始めました。

入院は5日間の予定。

まず考えたのは、娘のことでした。

入院中は夫が仕事を休み、幼稚園の送迎や食事など、娘のお世話をしてくれることになりました。

夫はもともと育児に積極的に関わってくれているので、娘と離れることへの心配はありましたが、「夫なら大丈夫」という安心感もありました。

また、退院後も安静が必要なため、退院後約1週間、実家から母が家事育児の手伝いに来てくれることになりました。

次に入院の持ち物です。

病院から案内された持ち物を確認しながら、必要なものを少しずつ揃えていきました。

パジャマやタオルなどは病院のレンタルを利用することにしたので、自分で用意するものは思っていたより少なめ。

それでも、

「入院中、何をして過ごそう?」

と考えると、暇つぶしのものも必要そうです。

本やタブレット、ヘッドホンなど、入院中にあると便利そうなものも準備しました。

実際に入院してみて、

「これを持ってきてよかった!」

「これはなくてもよかったかも」

と思うものもあったので、そのあたりは入院記録の中で詳しく書いていきたいと思います。

次回は、いよいよ腎生検へ。

ここまでが、私がIgA腎症を疑われてから、腎生検を受けることを決めるまでの記録です。

病気のことを調べれば調べるほど、不安になったり、
「本当に腎生検を受けて大丈夫なのかな」と迷ったり。

それでも、原因を知りたいという気持ちが少しずつ大きくなって、私は腎生検を受けることにしました。

次回は、いよいよ腎生検のための5日間の入院について書いていきます。

入院初日のこと。
腎生検を受けるまでの緊張。
実際に腎臓に針を刺してみてどうだったのか。
そして、私が一番つらかったと感じた「安静」についても、できるだけありのまま記録していきたいと思います。

同じように腎生検を控えている方や、入院が不安な方にとって、少しでも参考になれば嬉しいです。